昭和24年

8月 2日
生徒に対する体罰禁止に関する教師の心得
法務府発表
 
 教育法で体罰禁止が規定されているが、最近児童生徒に対する体罰問題がやかましい折柄教師の児童懲戒権がどの程度まで認められるかについて宇都宮少年保護観察所で法務府当局と研究中であったが、二日当局から教師の心得として次の七カ条が明らかにされた。


(1) 用便に行かせなかったり食事時間が過ぎても教室に留め置くことは肉体的苦痛を伴うから体罰となり、学校教育法に違反する。

(2) 遅刻した生徒を教室に入れず、授業を受けさせないことは例え短時間でも義務教育では許されない。

(9) 授業時間中怠けた、騒いだからといって生徒を教室外に出すことは許されない。教室内に立たせることは体罰にならない限り懲戒権内として認めてよい。

(4) 人の物を盗んだり、こわしたりした場合など、こらしめる意味で、体罰にならない程度に、放課後残しても差し支えない。

(5) 盗みの場合などその生徒や証人を放課後訊問することはよいが自白や供述を強制してはならない。

(6) 遅刻や怠けたことによって掃除当番などの回数を多くするのは差し支えないが、不当な差別待遇や酷使はいけない。

(7) 遅刻防止のための合同登校は構わないが軍事教練的色彩を帯びないように注意すること。

   




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